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クマ被害に遭わないための対策

クマ被害に遭わないための対策

近年クマの被害が東北地方を中心に各地で多発し、多くの被害者が出る社会問題になっています。山岳地帯や森林地帯といったクマの生息地で出くわしてしまうだけでなく、全国的に食糧を求めて人里へ降りてくるクマも増加し、単に山に行かないから大丈夫とは言えず、誰もがその被害やクマ被害の恐ろしさ知り、注意しなければいけません。
今回は、クマ用撃退スプレーも扱う護身商品専門店の視点からクマ被害の実態と被害に遭わないための対策をご紹介します。

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増え続けるクマ被害
クマに会わないための対策
もし出会ってしまったら?
クマが襲い掛かってきたら?
身を守るすべは対人と同じ

増え続けるクマ被害

令和5年度のクマによる被害の件数(出典:環境省/暫定値)は196件、被害人数は217人、死亡人数は6人です。これは記録が残っている平成18年以降最多の被害になっており、被害人数が200人を超えた年は令和5年度以外にありません。
また、クマの令和5年度の目撃情報にいたっては23,666件にも及び、30を超える都道府県で目撃情報があり、東京都でもたびたび目撃されています。クマに出会う可能性があるのは北の山岳地帯だけではないのです。
特に山岳地帯や自然豊かな地域にお住まいの方、もしくは登山でそうした場所に行く場合は今まで以上に用心しなくてはいけません。

しかし、本来日本に生息しているクマは基本的に臆病な性格で、人間を恐れています。誤解されがちですが、人間の存在に気が付けばクマの方から立ち去っていきます。
そんなクマが人間に襲い掛かってくるのは、ばったり近い距離で人間に出くわしたり、子グマを連れた親グマと遭遇したときなど、大抵クマが自身や子どもの身の危険を感じたときです。
ですので、人間側がクマに出くわさないように気を付けたり、万が一出くわしてしまっても冷静に対処する方法を知って実行できれば、人間にとってもクマにとっても不幸な遭遇を避けることができます。

クマが出没しやすい時期

地域や天候状況によって異なりますが、クマは冬眠から目覚めた春から冬眠前の秋にかけて食糧を求めて出没する傾向にあり、特に秋の時期は出没しやすいです。
また、クマ=冬眠のイメージがあるので、冬は出没しないと思われがちですが、実は冬眠しないクマもいたり、冬眠を中断して起きるクマもいます。実際に寒さが厳しい東北地方でも冬にあたる12月、1月に目撃情報があります。スキーなどで山に行く場合でも十分に気を付ける必要があります。

クマが出没しやすい時間・場所

クマは昼間も夜間も行動しますが、朝や薄暗い夕方の時間帯に行動する傾向があります。人間が住む地域に下りてくるようになったクマは、人間との遭遇を避けるため夜行性に変わることもあります。
また、山岳地帯や森林地帯といった自然が豊かな場所に生息していているため、山中や森の中、山や森に面した場所、それらに近い場所によく出没します。
ただし、最近は「アーバンベア」という市街地周辺に生息、出没するクマが増えています。本来日本に生息している種類のクマは臆病な性格で、人を避ける傾向にありますが、アーバンベアは人に慣れており、警戒心が比較的薄く、昼間でも庭先の果物を食べにくることもあります。

目撃情報を確認する

クマに会わないためには、出来るかぎりクマがいるところには行かないのが最重要ですので、テレビや新聞、ラジオ、ネットニュースなどで住む地域や行く場所に目撃情報がないかを確認しましょう。また、自治体によってはホームページなどでクマの目撃情報をまとめている場合もあります。情報をしっかり確認し、危険なところには近づかないようにし、特にクマが出没しやすい朝や夕方は山や森に近づくのはやめましょう。
また、クマの足跡や糞を見かけたら、その場所は近くにクマがいたり、クマが日常的に行き来する場所になっている可能性があります。それ以上近づかずにすぐに逃げてください。

こちらの存在をクマに知らせる

登山など山に入ったり、クマが出没しやすい地域に住んでいる場合は、鈴を持って歩く、ラジオを流しながら歩く、大声で喋りながら歩くなどで自分の存在をクマに知らせるように行動しましょう。「知らせたらかえって危険では?」と思われるかもしれませんが、先程の通り、クマは人との接触を避けて暮らす傾向にあります。そのため、音を立てるなどで自分の存在をクマに知らせることで、人間より遥かに耳がいいクマから人を避け、ばったり会ってしまうのを防ぎやすくなります。

周囲の状況を確認する

こちらの存在をクマに知らせたからといって、全てのクマが必ず思い通りに避けてくれるわけではありません。生き物が相手である以上、対策をしたから絶対に大丈夫ということではないため、周りに気をつけて行動するようにしましょう。
また、山菜採りや渓流釣りなどの食べ物がある場所では、クマが食糧を求めてやってくる可能性があります。山菜や釣りに夢中になりすぎないように注意してください。

複数人で行動する

山に入るときはできるだけ単独行動は避け、複数人で行動するようにしましょう。複数人いれば周囲の状況をより確認しやすくなったり、一人では対策しにくいことも対策しやすくなります。
複数人でのアウトドアは楽しいものですので、おしゃべりなどで注意散漫にならないように気を付けましょう。

生ごみ、食物の管理

クマは食べ物がある場所を学習すると何度も同じ場所に出没するようになります。クマに食べ物があると学習させないこと、ひいてはクマが手を出せる屋外に食べ物を置かないことが呼び寄せない重要なポイントです。
例えば近隣に住んでいる場合はペットのエサや魚釣りのエサはクマに壊されない頑丈な建物に保管してください。収穫前の果物や野菜など、屋外に置かなくてはいけないものの周りには電気柵を設置して侵入させないのがおすすめです。
クマの食べ物には生ごみも含まれますので、屋外に放置しないのはもちろん、収集時間の直前にごみ出しをするなどしましょう。
アウトドアで山や川、森や近隣地域に行く場合は、絶対に食べ物やゴミを残さないでください。

クマの行動範囲を知る

クマが出没しやすい場所の近隣に住んでいる場合、実際にクマがどこまで近くに来ているのかを把握しておくと良いでしょう。そこでおすすめなのがトレイルカメラです。トレイルカメラは人や動物の熱を感知して自動で撮影するカメラで、昼夜問わず映像を記録することができます。電池式で配線が必要ないため、畑や山中などの電気がない場所の撮影に便利です。山中などの過酷な環境下にも耐えやすく、長期間の使用を見込むことができ、実際に自治体や猟友会が使用しています。
クマがどこに出没状況や被害状況を撮影して知ることができれば、命を守ることに繋がるだけでなく、自治体や組合などに通報して対処してもらいやすくなります。

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もし出会ってしまったら?
落ち着く、走って逃げない

もし突然クマに出会ってしまったとき、こちらもパニックになったり、驚いてしまいますが、同時にクマも人間に出会って驚いている状態です。急に走って逃げたり大声で騒いでしまうとクマが危険を察知して襲い掛かってくる可能性がありますので、絶対に背を向けて走って逃げたり、大声を出さないでください。ちなみにクマが走る速度は時速40km~60kmほど。車が追いかけてくるようなものなので、人間が走って逃げてもすぐに追いつかれてしまいます。とにかく落ち着いて、むやみにクマを刺激しないようにしましょう。

遠くにクマがいたら・・・

遠くにいるクマがまだこちらに気付いていない場合は襲われる心配はありませんので、気づかれないように落ち着いて静かに立ち去りましょう。クマに気づかれてしまったら事態が急激に悪化しますので、大声を上げたくなる気持ちをぐっと抑え、慌てず騒がず、冷静に状況を判断してください。

クマがこちらに気づいたら

クマが移動する方向をよく見て、背を向けずに静かに立ち去りましょう。とにかくクマを興奮させてはいけないため、絶対に騒いだり攻撃してはいけません。こちらが静かに立ち去る姿勢を見せれば、クマの方から立ち去ることが多いです。
もしそれでもクマが近づいてきたら、クマから視線を離さず動きを見ながらゆっくリと後退してください。

子グマには近づかない!

子グマを見かけたら、絶対に近づかずその場を離れるようにしましょう。子グマの近くには必ず母グマがいます。母グマは子グマを守るためには容赦しません。子どもに危害を与える可能性があるものに襲い掛かってきますので、小さくてかわいいからと軽い気持ちで近づくと大ケガをしたり命を落とす危険があります。
もし自分に子どもがいて、見知らぬ人が断りもなく急に近づいてきた利、話しかけてきたら・・・ほとんどの人が警戒したり

クマが襲い掛かってきたら?
クマ撃退スプレーを使用する!

熊用 催涙スプレー ホルスターセット AJ360-BEAR

上記の対策をしてもなお、クマが襲い掛かってくる可能性があります。もしものときのためにクマ撃退スプレーをあらかじめ入手しましょう。
クマ撃退スプレーとは、その名の通りクマにスプレーを吹きかけ、攻撃から身を守る道具で、中身はトウガラシ成分であるカプサイシンでできたとてもからいスプレーです。対クマ用は対人用よりも内容量が大きく強い効果が出るように作られています。
北米ではスプレーを使用すればほとんどのケースでクマ攻撃を止めた効果あると言われており、最悪の悲劇を防ぐ最終手段になり得ます。

対人にも共通する護身対策

自分の身を守る場面の対策では、対クマも人も似ている部分があります。もちろんクマとヒトでは意思疎通の有無や力や速度の差などがあるため、自分の身を守るという視点の話になりますが、対人、つまり危険な犯罪者から身を守るための基本は「戦わない」「すばやく立ち去る」「背を向けて逃げない」、そうした犯罪者に出くわさないためには「周りの状況をよく見る」ことが重要です。
自分に危害が及ばないために、常日頃からこのような心がけを持ち、今回ご紹介したような具体的な対策を取るようにしましょう。

また、都会に住んでいるから自分は関係ない、と思ってしまいがちですが、東京は世界でもまれな「クマが生息している首都」で年間200件近い目撃情報があるだけでなく、アーバンベアが市街地に出没したり、アウトドアで人間から自然豊かなクマが生息する場所に行くことがあるため、まったく無縁の人はほとんどいません。
対人の護身や防犯でも「どうせ自分には巻き込まれっこない」と根拠のない自信を持ってしまう方がいますが、そう思っている人ほど無対策ですので実害に遭いやすいです。対クマも同様に、「自分は被害に遭いっこない」という考えを捨て、しっかり対策してください。

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